のすたる爺や

日々の出来事ちょっとしたエッセイ。

個性

のすたる爺や

 スキー場で「ゲレンデにクラシシがいるけど、先週いたやつとは顔が違うなぁ。」と地元のおじさんに言われて眺めてみると、顔つきも体つきも違う別の個体。これで首をひねっていたのが関西人の学生バイト。「クラシシって何ですか?」

 カモシカのことなんですけど、このあたりではクラシシとかクラッポなんて呼ぶんですね。クラは崖のことで谷川岳で有名な一ノ倉の蔵もそうですし、私の村の2026mの仙の倉は崖が仙人の姿に見えるから。シシはシカの類をそう呼びます。もののけ姫のシシ神様だってシカの姿をしていたでしょ。

 いろいろ調べるとシカの類をシシと呼ぶのはこのあたりから東北にかけての東側の呼び方みたいで、関西方面でシシと言えばライオンの類みたいです。

 カモシカの顔なんて違いが分かるんですか?と聞かれ、ふつうわかるんじゃねぇの?犬や猫だって顔や不運気に個体差があるし、熊だって違うよ。

 でも、田舎のおじさんたちは学生バイトのおねえちゃんたちが皆同じ顔に見えて個体差がわからない。しかも、なんだかわけのわかんねぇ名前が多いので憶えられない。「それ、普通に違いが分かるでしょ!」と言われても、なんかみんな同じ顔に見えてしまう。「髪の毛の色が…」と兄ちゃんたちに説明されたところで、気にしたことがない。ウサギやキツネなら冬毛になると季節感がわかるけど、おねえちゃんが髪の毛染めても季節感ないし個性が見えない。

 仕事帰りのちょいと野暮用で下界に出たのですき家で夕食食ってきたのですが、スタッフのおねえちゃんがおそろいのシャツ着ているのでみんな同じ顔に見える。まだカモシカの方が個体差が明確の様な気がする。「これだから年寄りは!」なんて言われたくないので、おじさんたちは内面から発するものを見ているのだ!己を磨かぬものに個性なし!と言うことにしておこう。